まず認知症を知ろう ~自分の家族が認知症になったら~

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介護
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高齢者介護から離れて8年ほどになりますが、時折「親(家族)の介護のことを教えてほしんだけど」と相談をもらいます。

その中でも多いのが「認知症」についての相談で、相談のたびに学び直してから「こうした方がいいですよ」とお話ししています。


やはり介護の関心事で一番大きいのは「親(家族)の介護」で、その中でも「知らないと苦労するだけではなく心身ともに疲れ切ってしまう」認知症については一度まとめておいた方がいいと思いました。


そのような背景から、今回から数回に分けて「自分の家族が認知症になったら」をテーマに認知症についてお話していきます。

認知症とは?

認知症の家族を受け入れられるようになるにはまず認知症の定義について見ていくことが大切です。


なぜなら家族が認知症について知らなければ「認知症の家族が目の前で取る行動(コト)」の原因・背景がわからず、その行動を取らざるを得ない認知症の家族(ヒト)を理不尽に責めてしまうからです。

解決すべきは「行動(コト)」のほうなのに解決困難な「認知症の家族(ヒト)」のほうを解決しようとしてしまえば、お互いの関係がこじれるのは当然です。


たとえば「あんたが財布を盗ったんだろ!」と突然言い出す原因、その背景は何なのか。
家にいながら「家に返して!」と叫び出すのはなぜか。

その原因・背景に認知症があることを知れば「ああ、今はこういう状態なんだな」「だったら今はこうした方がいいな」と冷静に対応できるようになります。




そうした対応力を得るためにも、認知症の定義について見ていきましょう。

認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態をいいます。

厚生労働省 -みんなのメンタルヘルス総合サイト-


認知症の症状が出る原因は様々ですが、「日常生活全般に支障が出てくる」ことは共通しており、その理由は「認知機能が低下」しているから、となります。


この「認知機能」というのは「理解、判断、論理などの知的機能」のことを言います。


人には五感(みる、きく、さわる、かぐ、あじわう)を通じて外部から入ってきた情報をもとに、

「物事や自分の置かれている状況を認識する」
「言葉や数字を自由に操る」「学習する」「何かを記憶する」
「問題解決のために深く考える」

といった行動(理解、判断、論理など)を取ることのできる機能が備わっています。


そうした機能をまとめた言葉が「認知機能」になり、認知機能が下がってしまったことでトイレの場所がわからなくなったり、ご飯を食べたか思い出せなくなったりするのが認知症の代表的な症状です。

認知症の代表的な分類について

つぎに認知症の代表的な分類を見ていきましょう。

アルツハイマー型認知症は、認知症の中で最も多く、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症です。症状はもの忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行します。

次いで多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による血管性認知症です。障害された脳の部位によって症状が異なるため、一部の認知機能は保たれている「まだら認知症」が特徴です。症状はゆっくり進行することもあれば、階段状に急速に進む場合もあります。また、血管性認知症にアルツハイマー型認知症が合併している患者さんも多くみられます。

その他に、現実には見えないものが見える幻視や、手足が震えたり歩幅が小刻みになって転びやすくなる症状(パーキンソン症状)があらわれるレビー小体型認知症スムーズに言葉が出てこない・言い間違いが多い、感情の抑制がきかなくなる、社会のルールを守れなくなるといった症状があらわれる前頭側頭型認知症といったものがあります。

厚生労働省 -みんなのメンタルヘルス総合サイト-


「脳神経が変形」「脳血管障害による」「パーキンソン症状」といった専門的な言葉はひとまず置いておき、今は「認知症にもいくつか種類があり、自分の家族が『どの認知症なのか』を理解する必要がある」ことが大切なのだと覚えておいてください。


どの認知症なのかを知るためには認知症の検査や診断を受ける必要があり、検査や診断は病院や診療所、クリニックで受けることができます。

診療科の種類は、主に精神科や心療内科、脳神経外科、神経内科などになります。

これらの外来がある病院やクリニックでは、基本的にどの科でも検査が受けられますが、もしかかりつけの医師がいるのなら、まずはそこで相談してみるのもひとつの方法です。


そうして自分の家族がいずれかの認知症との診断を受けたら、その症状に合った対応をしていくことになります。


その「認知症の症状」については次回お話ししていきますね。

認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態

自分の家族が認知症かどうかの診断や検査は病院や診療所、クリニックで受けられる。もし「かかりつけ医」がいるならまずは相談してみる。

大切なのは自分の家族がどのような認知症で、どう対応するかを家族が心得ておくこと。

もっと知りたくなったら

介護ブログの他にも、介護ニュース等などを取り上げるnote、読書にまつわるアメーバブログを運営しております。




また僕が介護を考えるうえで参考にしている本を紹介します。
どれも「読みやすく、わかりやすい」本ですので、ぜひ手に取ってみてください。



1.知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおとくなサービス超入門


「知っトク介護 弱った親と自分を守る お金とおとくなサービス超入門」は、親しみやすいタッチのイラストによる「対話形式」で介護の解説をしてくれる本です。

その内容は介護保険制度や年金に限らず「介護休暇・介護休業」「遠距離介護」など介護全体を網羅しており、各項目ごとに目次が組まれているため調べやすい作りとなっています。


「介護でわからないことがあったらとりあえず本を開いて調べてみよう」という辞書的な使い方ができる、一家に一冊置いておきたい本です。




2.『認知症の親を介護している人の心を守る本 疲れたとき、心が折れそうなときのケース別対処法 』


「認知症の親を介護している人の心を守る本 疲れたとき、心が折れそうなときのケース別対処法」は題名通り、心折れそうなときに「どうしたらいいか」を教えてくれる本です。

文章全体に優しい言葉選びがされており、ついついカッとなってしまう認知症の親の介護をしている人を温かく受け入れてくれます。


この本では「認知症について理解していることがいかに大切か」を学ばせてもらいました。



3.「家族のためのユマニチュード」


「ユマニチュード」とは、簡単に言えば「あなたを大切にしていますよ」というメッセージを「伝わるように伝える」技法です。

そしてその技法を家族介護でどうやって使っていくかを書いたものが「家族のためのユマニチュード」になります。


認知症の家族を介護するにあたり「あなたを大切にしていますよ」というメッセージを「伝わるように伝える」ことは、認知症の症状を引き起こさせないためには欠かせないものです。

それをこの本では家族介助によく見られる場面をイラスト付きで解説してくれますから、はじめて家族の介助をする方でも読みやすく、わかりやすい内容になっています。


認知症の家族を介護する方をはじめ、多くの方に読んでもらいたい本です。

「ユマニチュード」については以前の記事「認知症ケアでお悩みの方へ ~ユマニチュード~」でも触れていますので、併せて読んでもらえると嬉しいです。


【併せて読みたい記事】
介護から見る「個人」はこんなに違う?!
認知症ケアでお悩みの方へ ~ユマニチュード~
「介護ってなんだろう?」と悩んだら読み返す。何度でも。


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