「要介護3」を望む家族さんへ伝えたい、ただ一つのこと

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介護
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介護の仕事を続けていると、友人・知人から

「ウチの親にはぜひ要介護3になってほしいんです」

といった相談をよくされます。
そしてこの話をされるたび、切実さと同時に寂しさを覚えるのです。


なので今回は「要介護3を望む理由」をテーマに、介護保険制度や要介護について説明しながら僕が「伝えたいこと」をまとめていきます。

介護保険制度と要支援・要介護

まず介護保険制度の仕組みを要支援・要介護に絞って簡潔に説明していきます。

介護保険制度とは、高齢者の介護を社会全体で支える制度。

介護保険制度を利用する場合、

①市町村の窓口で申請
②市町村の認定調査員による訪問調査
③主治医(医師)の意見書を提出
④コンピューターによる一次判定
⑤介護認定審査会による審査(二次判定)

によって「要支援」あるいは「要介護」の認定が下りた時に利用できる。

要支援・要介護認定とは、介護保険制度の利用者が「どれくらい介護が必要なのか」「どのようなサービスが必要なのか」を認定審査会の審査を経て定められるもの。

「自立」「要支援1〜2」「要介護1〜5」に分けられ、受けられるサービスや支給額が異なる。


介護が必要になった方が介護保険制度を利用する為には、「要介護認定」によって「要支援」か「要介護」の認定をもらう必要があります。

そしてその認定度合いによって受けられるサービスや支給額に違いが出て、必要とする介護が多いほどそれらも多く受けられるよう配慮されています。


要介護認定による支給額の差は以下の通りです。

「自立」の場合、介護保険制度非該当となるため区分支給はされません。
介護サービス等を利用せずとも自分で生活できるわけですから、制度の対象外となるのは想像がつきやすいと思います。


ここから更に「要介護状態区分」についていきましょう。

要介護状態区分別の状態像

厚生労働省の「要介護認定の仕組みと手順」によれば、要支援・要介護区分の状態像は以下の通りです。

厚生労働省「要介護認定の仕組みと手順」より


横軸が右へ移る(介護度が増す)ごとに「介護が必要な状態」が増していきます。
また縦軸が下へ降りる(自立度が落ちる)ほど「本人が自分ではやりづらい、できないこと」が増えていきます。


要支援1ならば「起き上がり・立ち上がり」がやりづらくなっている状態であり、これが要支援2、要介護1と介護度が増すたびに「本人が生活していく上で困ること」が増えていくイメージです。

また要介護5ともなれば「食事」「排せつ」「入浴」など生活していく上で欠かせない動作のほぼ全てに介助が必要な状態と言えます。

要介護3を望む理由

ここまでの流れで「要介護2と3の違いは【支給額】と【本人が必要とする介護】」だとわかります。

これだけでも「要介護3の方がいい」という方がいらっしゃるかもしれませんが、要介護2と3で決定的に違うのは「特別養護老人ホーム(特養)に入所できるかどうか」です。(特例を除く)


特別養護老人ホームに関しては以前の記事でもお話ししています。


特養が望まれる理由は「施設の月額利用料が安いから」になる訳ですが、他施設の利用料と比較すると以下のようになります。

※ 実際の費用は各施設にてご確認ください


ここに介護サービスの費用等が加わり、月々の費用はおよそ20万前後からになります。
この費用を少しでも抑えたい一心で特養を望む方が多い訳ですね。


まとめ 〜要介護認定は誰のため?〜

要介護3を望む方が多いのは「月の費用がかさむため、施設利用料だけでも抑えたい」という切実な事情がありました。

ここまで書いた内容を踏まえれば「寝返り」や「排せつ」、「歯磨き」「着替え」が1人では難しく人の助けが必要な状態ならば要介護3となりやすいかもしれない、と読めます。

とは言え、実際には認定調査員の調査により本人の事情や環境が考慮されるため、前のめりで要介護3の判定を満たそうとするのは「不誠実」に見えるので控えた方が良いでしょう。


そもそも要介護認定とは「介護サービスを受ける本人のため」に行うものであり、要介護度とは「本人がどれだけ介護サービスを必要としているか」の度合いです。

その本質から外れてしまえば本人に「そんなに厄介者に仕立て上げたいのか」と寂しい思いをさせてしまうかもしれませんから、お金の問題は「固定費の見直し」などで先に対策した方が無難です。


僕が伝えたいのは「豊か」になる介護士の5ステップ⑤生命はめぐり、想い紡ぐでもお話ししたように「自分の背中を見て次世代は育っていく」と言うことです。


もし自分の親に対して「お金」を理由に寂しい思いをさせれば「親とはこのように扱うものだ」と自分の子どもや後輩に学ばせることになります。

逆に自分の親を大切にすれば「親は大切にするものだ」と学び、そのように扱う次世代が増えていくことになります。


なので、本人がいかに充実した生活を送れるかを第一に必要な介護サービスを受けられるよう配慮した方が家族みんなが幸せになれるかと思います。

「要介護3」になれば特別養護老人ホームの入居条件を満たせるため、要介護3を望む家族は多い。

一方で要介護とは「本人がそれだけ介護を必要としている状態」のため、本人の気持ちを差し置いて要介護3を望みすぎるのは幸せを遠ざけてはいないだろうか。

「生命はめぐり、想いは紡がれる」ことを踏まえて、家族みんなの幸せを目指していこう。

「固定費の見直し」でおすすめする書籍

さいごに、固定費の見直しに関しては「本当の自由を手に入れるお金の大学」がおすすめです。

本当の自由を手に入れるお金の大学


「家計を見直すならどの本をお勧めする?」と聞かれたら一番に答えるのが、この「本当の自由を手に入れるお金の大学」です。


なぜ一番なのか。
それは固定費や保険の見直しなどの「お金を『守る力』」について、本の約半分を費やして説明されているからです。

しかもイラストや表を用いてコミカルに説明されているため、誰が見てもわかりやすいのです。

実際僕が職場の方や友人・知人にお勧めした本の中で抜群に選ばれたのがこの「お金の大学」で、読んでもらった方から感想をいただいたところ

「面白い! それでいてわかりやすい! 教えてくれてありがとう!」(40代女性)
「『大学』っていうから難しい本かと思ったら、メチャクチャ読みやすかったです!」(20代女性)
「私にもわかるくらいすごく優しくて丁寧で、すぐやろうって旦那と話しました(笑)」(30代女性)
「さっそく証券口座開いて、つみたてNISA始めます!」(20代男性)

と、感謝の声をたくさんいただきました。
これまでいろんな本を紹介したのですが、ここまで好評だったのは初めてでした。


また著者である『両@リベ大学長』さん(@freelife_blog)は

ブログ → 「リベラルアーツ大学
YouTubeチャンネル → 「両学長 リベラルアーツ大学

「自由に生きる人を増やしたい!」という想いをもとに、お金の知識について日々発信されています。家計を見直したい方、自由に生きてみたい方はぜひフォローや登録をしてみてください。


【併せて読みたい記事】
「施設に託す」という選択 ~自分の家族が認知症になったら~
「豊かになる」介護士の5ステップ ⑤生命はめぐり、想い紡ぐ
認知症へのお悩み(カテゴリ)


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