「頑張って働いているのに、なぜかお金が貯まらない」
「給料を上げたいけれど、資格を取る時間も、転職を考える余裕もない」
介護・福祉の仕事は人の人生を支える尊い仕事です。それにもかかわらず、給料面での不遇さに悩まされてきた方は少なくないはずです。以前このブログでも「手取り15万からの介護士」というテーマで記事をお届けしてきましたが、2026年の今、あらためてお伝えしたいことがあります。
それは「稼ぐ力」を伸ばすには時間がかかっても、「貯める力」は今日からすぐに鍛えられるということです。
この記事では、累計発行部数200万部を超えるベストセラー『【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長著)の考え方をもとに、介護福祉士として15年以上現場に携わってきた経験を交え、給料が上がりにくい介護・福祉職だからこそ実践したい家計改善の方法をお伝えします。
今回の記事を読むことで
- なぜ介護職は「稼ぐ」より先に「貯める」から始めるべきなのか
- 2026年時点の、介護職のリアルな給料事情
- 「人生6大固定費」のうち、今すぐ着手できるもの
- 保険を「感情」ではなく「数字」で見直す考え方
これらの内容がわかり、収入がすぐには変わらなくても「今日から変えられることがある」と感じていただけたら嬉しいです。
※本記事は『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長著/朝日新聞出版)の考え方を参考に、介護・福祉職向けの視点を加えて構成しています。保険や投資の見直しにあたっては、ご自身の状況に応じて、必要に応じ専門家にもご相談ください。
2026年、介護職のリアルな給料事情
まず、現状を正しく知ることから始めましょう。
厚生労働省の調査によると、介護職員の平均給与は月額33万8,200円、年収に換算すると約405万円です。資格別に見ると、介護福祉士で月給35万円程度、実務者研修で32万7,000円程度、初任者研修で32万4,000円程度となっています。
一方で、手取り額に注目すると景色が変わります。常勤・月給制の介護職の平均的な手取りは、月20万円から23万円前後が実態です。「額面ではそれなりの数字でも、税金や社会保険料が引かれると、手元に残る額は決して多くない」というのが、多くの介護職の実感ではないでしょうか。
2026年は介護報酬の臨時改定が予定されており、条件を満たせば月額最大1万9,000円の賃上げが見込まれています。処遇改善加算や特定処遇改善加算といった制度も整備が進み、勤続10年以上の介護福祉士であれば、月8万円以上の処遇改善が図られる制度も存在します。
こうした制度による「稼ぐ力」の底上げは確かに追い風です。
しかし、これらの制度が実際に反映されるまでには時間がかかりますし、勤務先の法人によって恩恵の受け方にも差があります。だからこそ、今日この瞬間から自分の意思だけで実行できる「貯める力」を、先に鍛えておくことが重要なのです。

なぜ「貯める力」から始めるべきなのか
『お金の大学』では、お金に困らない自分らしい生き方を実現するために
「貯める」→支出を減らす力
「増やす」→資産を増やす力
「稼ぐ」→収入を増やす力
「使う」→お金からより高い価値を引き出す力
「守る」→資産を減らさない力
という5つの力を鍛えることの大切さが説かれています。
この本の大きな特徴は、まず最初に取り組むべきは「貯める力」だと明確に位置づけている点です。なぜなら、貯める力は「収入がいくらであっても、今日から着手でき、一度見直せばその効果がずっと続く」という性質を持っているからです。
介護・福祉職には資格取得や転職といった「稼ぐ力」を伸ばす方法も存在しますが、資格取得には時間がかかり、転職にも準備期間や勇気が必要です。
しかし、固定費の見直しは平日の休憩時間や、休日のちょっとした時間があれば取り組めます。シフト制で忙しい毎日を送る介護職にとって、この「時間対効果の高さ」は非常に大きな魅力です。

効率よく貯めるカギ、「人生6大固定費」
『お金の大学』では小さな節約(こまめな消灯など)を積み重ねるよりも、一度見直せば効果がずっと続く「6つの大きな固定費」を見直すことを勧めています。
その6つとは、通信費・サブスクリプション・保険・住居費・車・税金です。この中から、介護職の生活に特に取り入れやすいものを見ていきましょう。
①通信費――スマホ代を格安SIMへ
大手キャリアのスマホプランを使い続けている場合、格安SIMに乗り換えるだけで、月々の通信費を大きく削減できる可能性があります。手続きに多少の手間はかかりますが、一度乗り換えてしまえば、その後は何もしなくても節約効果が続きます。
やることは非常にシンプルです。
①SIMフリーのスマートフォンを用意
②今の契約会社からMNP予約番号を取得
③Web上で新しい格安SIM会社に申し込む
これだけで完了します。休憩時間や夜勤明けの空き時間にスマートフォン一つで手続きできる点も、忙しい介護職にとって始めやすいポイントです。
格安SIMは、利用料金や会社名だけで判断せず、自宅・職場・よく行く建物内で現在のドコモ、au、ソフトバンク、楽天のどれが安定しているかを確認してから選ぶのが確実です。
また、お使いの銀行や証券会社によっては「この格安SIMを選ぶ方が総合的にお得」ということもあるため、格安SIM選びに絶対的な正解というものはありません。そのため、大きく外さないための選び方をするのが基本的な考え方となります。
2026年現在では「ahamo」「日本通信SIM」「楽天モバイル」が主な選択肢となり、その特徴は以下の通りです。

②サブスクリプション――「なんとなく」の契約を可視化する
動画配信、音楽配信、電子書籍、モバイルバッテリーのレンタルなど、月額課金で利用できるサブスクリプションサービスは今や生活のあちこちに入り込んでいます。一つひとつは数百円から千円程度でも、いくつも重なると、家計に与える影響は決して小さくありません。
まず取り組みたいのが、契約しているサービスをすべて紙やスマートフォンのメモに書き出し、一覧にして可視化することです。クレジットカードの明細を確認しながら「これは何のサービスだったか」を一つずつ洗い出していくと、忘れていた契約が見つかることも珍しくありません。
一覧にできたら、次はそれぞれについて「本当に必要か」を見極めます。同じジャンルのサービスを複数契約していないか、月に1〜2回程度しか使っていないものはないか、家族の誰も使っていないサービスが残っていないか。こうした基準で見直すだけで、無駄な支出に気づきやすくなります。
動画配信サービスのように、複数同時に契約せず「観たい作品がある月だけ契約する」という使い方に切り替えるのも一つの方法です。夜勤明けで疲れている時間についダラダラと視聴時間が伸びてしまうという方は、契約を見直すことが支出だけでなく時間の使い方を見直すきっかけにもなります。
以下に「定額サービス・サブスク見直し表」の例を載せます。またこの表を使いたい方には空欄の表をダウンロードできるようにしましたので、ぜひご活用ください。

③保険――「感情」ではなく「数字」で判断する
固定費の中でも、特に大きな見直し効果が期待できるのが保険です。というのも、1世帯が生涯に支払う生命保険料の平均は約1,200万円ともいわれており、決して小さな金額ではありません。
『お金の大学』が伝えているのは、「なんとなく不安だから入る」という感情での判断ではなく、「発生確率は低くても、起きたときの経済的な損失が大きいものだけに備える」という数字にもとづいた考え方です。
まずは、今加入している保険の証券をすべて集めて、保障内容と保険料を一覧にまとめてみてください。「何に入っているのかよくわからない」という状態のままでは、適切な見直しはできません。独身の頃に何となく勧められて入った保険が今のライフステージに合っていないというケースは、決して珍しくありません。
以下に「加入中の保険・補償内容確認表」の例を載せます。またこの表を使いたい方には空欄の表をダウンロードできるようにしましたので、ぜひご活用ください。

④住居費――「マイホームより賃貸」という視点
『お金の大学』では資産価値(リセールバリュー)が下がりにくい特別な物件でない限り、マイホームより賃貸を選ぶ方が経済的自由に近づきやすいという考え方が示されています。
リセールバリューとは、一度購入したものを販売する際の、再販価値のこと。中古車販売などの際に使われることが多い。
すでに持ち家がある方は、住宅ローンの借り換えによって金利負担を減らせないかを確認する価値があります。
賃貸に住んでいる方であれば、家賃は入居後であっても交渉できる場合があり、更新のタイミングで見直しを相談してみる、あるいは仲介手数料や火災保険が適正な金額かを確認してみることも、立派な固定費の見直しです。
介護職は転勤や転職を機に住まいを変える機会があります。次に引っ越しのタイミングが来たときには、こうした視点を思い出してみてください。

⑤車――「所有する」から「必要な分だけ使う」へ
車の維持費には税金・保険・駐車場代・ガソリン代など、見落としがちな出費が数多く重なっています。また車1台を所有する場合の生涯維持費は、車種によって差はあれど、約4000〜5000万ほどと言われています。
『お金の大学』では、車の維持費が資産形成の大きな足かせになりやすいことを指摘し、可能であれば公共交通機関やカーシェアリングへの移行も選択肢として勧めています。
もちろん、地方で勤務し訪問介護などで車が生活や仕事に欠かせない介護職の方も多いはずです。
その場合は車を手放すという極端な選択ではなく、自動車保険の見直しから始めるのが現実的です。「必要な保険は、対人・対物などの補償に絞り、車両保険は本当に必要かどうかを見極める」という考え方は、多くの方にとってすぐに実践できる見直しです。

⑥税金――「知っている人だけ得をする」制度を使う
固定費というと出ていくお金を減らす話が中心になりますが、税金は「知っているだけで手元に残るお金が増える」という、少し性質の異なる分野です。
代表的なものが「ふるさと納税」です。実質2,000円の自己負担で、寄付先の自治体から返礼品を受け取りながら、翌年の税金から控除を受けられる制度で、年収や家族構成によって控除の上限額が変わります。医療費が一定額を超えた場合に使える「医療費控除」も、確定申告をすることで税負担を軽くできる制度の一つです。
介護職の場合、資格取得のための研修費用や副業で得た所得に関する経費計上など、知っているかどうかで納税額に差が出る場面が他にもあります。「制度を知らずに損をしている状態」を防ぐことも、立派な「貯める力」の一部だと言えます。

介護職だからこそ、意識したい視点
固定費の見直しは誰にでも共通する家計改善の方法です。しかし介護・福祉職には意識しておきたい特有の事情もあります。
夜勤・シフト制という働き方を踏まえた見直しを
日中不在の時間が多い夜勤専従の方であれば電気・ガスのプランを見直すことで、より効果的な節約につながる可能性があります。
また、通勤に車を使う方は、走行距離や保険等級によって最適な自動車保険の見直し方法も変わってきます。自分の勤務形態に合わせて、固定費を見直す視点を持つことが大切です。
「貯める力」の次に、待っているもの
固定費を見直して生まれた余剰資金は、貯金するだけでも一つの選択肢です。ただ、『お金の大学』ではその先の「稼ぐ力」「増やす力」へとつなげていく道筋も示されています。
介護職としての資格取得や、処遇改善加算の仕組みを正しく理解することや、これまでこのブログでお伝えしてきたような副業に取り組むことも次のステップとして考えられます。
まずは「貯める力」で足元を整え、余力が生まれたところで次の一歩を考えていく。この順番を意識することが、無理なく家計を改善していくコツです。

介護・福祉職の私が実践していること
ここまでお話しした「お金を貯める」実践は、過去の記事「「手取り15万からの介護士」の『豊かさ』を考える ②家計を見直す」にてお話ししています。
実際に、通信費の見直しでキャリアを楽天モバイルにしたり、投資を見据えて証券会社や銀行を楽天グループのサービスに揃える、いわゆる『楽天経済圏』に入ることで給料をカバーすることができました。
楽天経済圏とは、楽天グループの各サービスを連携させ「楽天ポイント」を貯めたり使ったりする仕組み。日常の買い物や支払い、通信などを楽天グループのサービスに集約することで、楽天ポイントを貯めたり使ったりできる。
楽天経済圏の中でも「楽天市場」「楽天モバイル」「楽天銀行」「楽天証券」の組み合わせは、生活用品を揃えたり、ギガの使用制限を気にせずネットや動画を楽しんだり、投資でお金をし増やしたりしながら楽天ポイントを貯められて、「手取り15万からの介護士」であっても給料以上の生活を楽しむことができます。

まとめ――変えられるところから、始めていく
給料がすぐに大きく上がることを期待するのは、正直なところ簡単ではありません。しかし、固定費の見直しという「今日からできること」は誰にでも平等に開かれています。
「頑張っているのに報われない」と感じてしまう介護・福祉職だからこそ、まずは自分の意思だけで変えられる部分から一つずつ手をつけてみてください。通信費、サブスクリプション、保険等。この記事で紹介した見直しは、どれも特別な知識や資格がなくても始められるものばかりです。
介護は頑張るものではなく、続けるもの。そしてお金との向き合い方も同じように、一気に変えようとせず、できることから少しずつ続けていきましょう。
今回の話に興味が出てきたら
今回取り上げた『【改訂版】本当の自由を手に入れる お金の大学』(両@リベ大学長著)は、累計200万部を超えるベストセラー。
お金にまつわる力を「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」の5つに分類し、イラスト付きでわかりやすく解説した一冊です。専門用語の多いお金の本にありがちな難しさがなく、初めて家計や資産形成を学ぶ人でもすんなり読み進められます。
介護の仕事は待遇面での悩みを抱えやすい業界でもあります。だからこそ、
- 「貯める力」で日々の家計に余裕を持たせる
- 「増やす力」で将来の備えを少しずつ始める
- 「守る力」で介護離職や収入減のリスクに備える
といった知識は、介護職として働く方にも、ご家族の介護をしながら生活設計を考える方にも役立ちます。
「お金の知識がないから」と後回しにしてきた方も、この一冊から少しずつ「お金との付き合い方」を学び直してみてはいかがでしょうか。
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